料理長(シェフ)の採用に迷ったら

行列のできる飲食店経営者になりたかった。自分が考えたメニューなら絶対に売れると思った。いつも笑顔が溢れるお店になるはずだった。でもお客さんが来ない。売上が上がらない。クレーム対応に疲れてしまった。そんなあなたに寄り添うサイトです。

飲食店における原価率は30%?40%?50%超えもあり?

飲食業界における原価率の常識

飲食店を経営していく上で避けて通れないのが原価率という考え方です。原価率というのは販売価格に占める原価の割合です。飲食業界ではだいたい30%前後に抑える、というのが通説にはなっているようです。これはどうしてかというと、その他のコストとのバランスがあるからです。

販売価格に含まれるものは当然原価だけではありません。

<固定費>

・地代(家賃)

減価償却費(道具などに投資をしていた場合)

変動費

・人件費

・広告宣伝費

・光熱費

・地代

・その他(事務用消耗品などあれば)

・利益

これらが販売価格の中に入ってきますので、原価が高いと他の費用を圧迫することになりますし、最悪利益が出ない、ということにもなりかねません。スーパーで買ったらもと安いものが飲食店に行くと全然違う価格で販売されている、というのはこういうことですね。これらをひっくるめてサービス代と呼んだりもしますね。まぁお客さんが気持ちよく、いつ来ても一定の品質で食べれるようにしてくれているための代金といったところでしょう。

飲食店における原価率の常識をぶちこわした人達

そんな常識をぶち壊した人もいます。有名な俺のフレンチ、俺のイタリアンがそのいい例ですね。同社は平均原価率が40%とか60%、中には90%のものもあると言います。普通に考えると利益でないですよね。

しかし同社の2018年3月に出た第5期決算広告では当期純利益:1億7,677万円となっています。十分に利益出てますね。同社HPによると社員数は約450名、従業員数1,000名近いです(バイト入れた数字?)。そこまでの大所帯になれるのも利益をしっかりと出しているからでしょう。

原価率30%だけを考えない飲食店の採算管理で注目したい3つのこと

俺のイタリアン、俺のフレンチを運営する俺の株式会社がどうして利益を出せるのでしょうか。そこには原価率30%という固定概念を捨てた発想があるのです。

まず注目したいのが回転率です。そしてセールスミックスの考え方。最後に食事以外の売上です。順に説明します。

回転率

俺のイタリアン、フレンチに行ったことがある人ならわかると思いますが、基本立ち食いです。現在は一部店舗で座れるお店もあるようですが、登場当初は全ての店舗が立ち食いだったはずです。この目的は明らかで、回転率を上げるためです。人は立って食べるよりも座って食べるほうが快適です。裏を返すと、立って食べるお店からはすぐに出たくなるということです。立ち食いのお店もしくはカウンターなどで椅子があっても顧客1人が使えるスペースが限られているお店はみな回転率アップを目的としているといっていいでしょう。お客さんにゆっくりして、滞在時間を高めたければ深く座れるソファーなどを用意するはずです。

立ち食いにすることで回転率を上げて、原価が高くても利益を多く出せるようにしているのです。もちろんこれだけではないですからね。

セールスミックス

食材原価率は30%、と聞くとお店にあるメニュー全てで30%を達成しようと考えるかもしれません。もちろんそれで売れるメニュー開発ができればそれに越したことはないのかもしれません。ただ、あくまで目安ですし、お客さんの目を引くようなメニューを作ろうと思ったときにそういった原価率があるとあまりいいものが作れないことが多いのです。使おうとする食材全てを細かく管理して、、とやっていくと最終的にはなんだかつまらないメニューができあがる、それが原価率30%の縛りです。

少し発想を変えてみると、別に全てのメニューで原価率30%である必要はないのです。トータルで、全メニューでみた時に原価率30%を達成していればいいわけです。おそらく俺のイタリアンやフレンチでも全てのメニューの原価率が高いというわけではないはずです。それよりもお客さんが目玉と感じる、そのお店に行きたくなるようなメニューについては原価率を高くし、お得感を出し、一方でどのお店でも頼めそうなもの、中心はドリンクになってくるかもしれませんが、そういったものについては原価率30%とかもう少し低くしていると思われます。これによってトータルでの原価率をコントロールし、利益が出るようにしているのです。

食事以外の売上

俺のイタリアン、フレンチでやっているのが生のJAZZを聞ける、という取り組みです。確か以前俺の株式会社社長の坂本孝氏がインタビューか何かでこの取り組みについて説明をしていました。本だったかもしれません。

そこでは、この生JAZZに対する売上が非常に大きいことが説明されていたのです。簡単に説明すると、お客さんは4回転くらいします。入場者全員から生JAZZを聞くための料金を取ります。一方で演奏者への報酬支払いは固定です。生JAZZを聞けるというのは大きなプロモーション効果を生みますので、どんどんお客さんが入ります。飲食代の売上も伸びます。しかし費用は変動費ではなく固定費なのです。これが3つ目の取り組みです。

別に生JAZZでなくてもいいですよね。例えばサッカーの日本代表の試合を大画面で見れるので、その日だけチャージ料金を少しもらうとか。そういったことでもいいと思います。

まとめ

このように飲食店の原価は30%というのが通説ですが、それを全てのメニューに杓子定規にあてはめてしまうとなんとも面白くないメニューができあがり、何の差別化もなく、お客さんを呼べない飲食店になってしまいかねません。最終的に30%に落とし込むのであればいいのですが、最初から制約を守ることを考えていては、飲食店が乱立する日本ではなかなか選んでもらえないかもしれません。

今回ご紹介した回転率、セールスミックス、飲食以外の売上を使うことでトータルでの原価率30%を是非実現してくださいね。